今なおバルカナイズ製法で作られる珠玉のスニーカー

ムーンスターのスニーカーは、国内でもごく僅かな工場でしか生産することの出来ないヴァルカナイズ製法(加硫製法)で作られています。つり込み作業を経て靴本体とゴム底とを接着した後、硫黄を加えた釜で熱と圧力をかけるこの製法から生み出される靴には、ソールがしなやかで柔らかい、丈夫で壊れにくい、美しいシルエットが保てるといった良さがあります。そして何より熟練の手仕事でしか生み出せない、精巧で美しい“作りの良さ”が魅力です。
バルカナイズ製法とは、靴本体とゴム底とを接着した後、硫黄を加えた釜で熱と圧力をかける製法で、170年以上も前の1839年に、アメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーが発明した“スニーカーの基本製法”です。では、行程を簡単に説明します。職人の手作業でアッパー(本体)とソールとを接着したスニーカーを吊り棚にセッティングします。このときすでにぱっと見では完成形に近いのですが、まだゴム部分は柔らかく、これを加硫釜にいれることによってアッパーとソールをしっかり結合させます。100度以上で約1時間、釜の中で加圧・加熱します。加熱が終わると轟音と共に釜の扉が上方に開き、中の煙が漏れ出します。熱風と白煙、そしてゴムの匂いが充満する中、職人が吊り棚を取り出し、型崩れ防止のために付けられた仮糸と布を手際良く切っていきます。その後、熱を持ったスニーカーの形を安定させるため、大きな扇風機で冷まします。このように、バルカナイズ製法は基本的に手作業のため、想像以上に労力と手間がかかり、生産効率が悪くその数は激減してしまいましたが、ムーンスターは今もなおこの製法を守り続け、そのクオリティーの良さを世に伝え続けていきます。
MOONSTAR “FINE VULCANIZED” SNEAKER  >>> MASUYA LINE-UP