REDWING “Beckman”<Flat Box> col.Black Klondike

1920〜30年代頃の古い写真の中に見る農夫のワークスタイルと、彼らの履き込んだ靴からイメージを膨らましながら、コーディネートしてみました。今回履いているレッドウィングのベックマンブーツ・フラットボックスは、先芯が入っていないため、履き込むと革が足になじみ、つま先がそり上がって、薄くぺたっとしてきます。皺も増え、くるぶしの丸みも出てくると、見ただけでもグッとくる曲線が生まれてきます。当時の靴の多くは先芯のないものだったこともあり、この靴のそんなシルエットやボリューム感が、コーディネートするときにイメージにしっくりくるんです。
「当時の彼らにとってブーツは毎日の生活に欠かせないもので、今のようなお洒落とは無縁のもの。履くほどに、キズも増え、汚れてもくるけど、毎日履く。まめには手入れしないけれど、気になった時には磨く。泥(土)でかなり汚れたなぁ、雨でずぶぬれになっちゃったなぁって時に、手入れをする。そんな風に扱っていたんじゃないかなと。革もこのブラック・クロンダイクのように、キズや摩擦で黒い塗膜の下から茶色の芯地が見えたりしただろうけど、彼らにはごくあたりまえのこと。でも、今の僕らにはそれも魅力のひとつ。無骨で丈夫で飾りっけのない靴だけど、かっこいいんだよなぁ。」そんな想いを巡らしながら、この靴を履いています。

太畝のコーデュロイ・トラウザーに、クラシックなフレンチサックコートを合わせて。リネンビエラのクタッとした味のある上着の中には、フレンチワークなニットカーデ。それに、シュバリエ・ハットもオールドファーマーな雰囲気を演出しています。こんな土の匂いのするワークな装いに、この靴はよく合いますね。

毛玉の付いた厚手のセーターを着た農夫の姿を思い浮かべながら、コーディネートしてみました。ダブルニーのモールスキン・ワークパンツに、撚り杢のフレンチカバーオールを合わせて、アウターにはピュアウールを3ゲージで編み上げたショールカラー・ニットカーデを羽織っています。こんなクラシックなファーマースタイルにも、この靴はすごくマッチします。

くたびれてきたボーラーハットに、コットン・リネンのインディゴ・カバーオール。そして、ボトムはちょっと丈の短いウールパンツ。どれも、もっと色が褪せ、肘や膝が出たくらいがより一層かっこいい。着倒したくなる、そんな服。 その足元には、この靴がいい!
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